渋谷のよりよい未来に向けて

「都市再生」という言葉が、日本ではもっぱら緊急経済対策として、限られた地区の大規模単発プロジェクトを指す言葉として使われているのは残念なことです。本当は70年代以降、どの先進工業国も直面した脱工業化社会・持続型社会への方向転換において、次第に明らかになってきた長期的・広域的なテーマのはずなのですが。

渋谷コモンとは当初、渋谷駅とその周辺を巡る「都市再生」の動きに対して(参考資料)、地元の立場からなされた提案でした(2002年の提案)。今は、地元の方々にはもちろん渋谷の街を自らの生活圏の一部とする多くの方々に、渋谷の駅や街についての情報を発信して、共にそのよりよい未来を考えていこうという試みです。

しかし未来を具体的に、しかもその持っている可能性の幅を減ずることなしに想像するのは難しいことです。そこで2004年夏の時点で明らかになった鉄道や幹線道路などの基盤性整備方針に基づきながらも、片や超高層駅ビルとペデストリアンデッキという現代日本の標準的な駅再開発、片や多段テラス駅ビルと地上の広場という対照的な二つの未来を提示してみました(未来Aと未来B)。またさまざまな渋谷駅と広場を疑似体験できる景観シミュレーター(渋谷シミュレーター)を用意しました。

更に2007年春に、渋谷らしさのより深い自覚と再生を目指して、渋谷の景観をその独特の地形から解明する試み(渋谷らしさと原地形)を追加しました。

地図書き込み型掲示板を用意してあります。渋谷の駅や街の過去・現状・未来について、今度は皆さんのご意見やご提案や情報を有効と思われる方法で掲示してください。